ニッケルハルパ 用弓

昨年フランスのニッケルハルパ ・弓製作家 Jean-Claude Condi 氏に弓を注文しました。その弓をこのほど受け取りました。ありがとう、JC!

美しい…

日本のニッケルハルパ 界隈では、廉価なこともあり独GEWA製の弓がよく用いられています。

GEWAの弓、入手しやすく入門用として十分ですし悪くはないです。ただ作りがいわゆるCカーブ(懐が浅い)なので、よくも悪くも発音やレンジが均等になります。ニュアンスが出しづらく、表現の幅が広がりにくい。

そんなこともあって、ある程度弾けるようになってきた段階で、次のグレードの弓が欲しくなります。しかし残念なことに、脱入門者のための弓…となると現状急に選択肢が少なくなりハードルが上がります。特殊楽器あるある。

ニッケルハルパ製作者が作った弓か、弓職人が作った弓か の2択になると思います。

ニッケルハルパ の製作者で弓も製作している人はいて、何本か触らせてもらいました。しかしながら、ほとんどが単純なCカーブか擬似的なSカーブで反応がよくなく、正直なところいまひとつで「これ!」というものには巡りあいませんでした。私個人の意見を言うなら、やはり餅は餅屋、何年も何年も弓を製作して造詣の深い人(同時に演奏も上手な人)に作ってもらうのが良いと思っています。弓の力学はおそらく単純ではありません。

弓職人…フランスのJC、スウェーデンのPederやUlfなど、定評のある作家は何人かいて、プロの奏者も彼らの弓を採用していることが多いです。次のステップに と言いつつプロと同じ弓を手にすることになるわけです笑。

フランスのJCのニッケルハルパ 弓は、他の作家の弓(概ねバロックシェイプ)とは異なり、フレキシブルに振動できるような独特のカーブになっています。弾性域が広いと言うかなんというか…

ヴァイオリンやチェロなどに比べニッケルハルパ はストロークの短い(軽い)弓を使用しながらも、弓圧をある程度意識的にコントロールしなければなりません。JCの弓はそういったバランスが高い次元でまとまっているように思います。

JCは実際にお会いしたことはないのですが、メールで色々と欲しい仕様を伝えたところ、見事に作り上げてくれました。感謝。